カキ殻肥料の特長
- 炭酸カルシウムが主成分であり、酸性土壌を中和します。
- 動物質石灰でカルシウムの吸収が良いのが特長です。そのため、品質の良い健康な作物ができます。
- 海でできるカキ殻が原料のため、マンガンやほう素などの海のミネラルを豊富に含みます。
- 多く施用して土がアルカリ性に傾いても原料であるカキ殻は微量要素を豊富に含むため、過剰中和障害を起こしにくく安心して使用できます。
- 海でできるカキ殻が原料ですが、製造工程で除塩しており、施設栽培でも安心して使用できます。
- 有機石灰の特長を損なわない温度での乾燥を行っており、上質な石灰に仕上がっています。
- 穏やかな中和効果で肥料中の窒素の揮散や作物の発芽障害・根傷みがないため、肥料と同時に散布でき、すぐに植え付けできます。
- 微量要素を含むこと、土を固めないことから根張りが良くなり、増収効果が期待できます。
用途
普通作物、園芸作物を問わず、ほとんどの作物に使用できます。
施用量
農協や普及センターの指示に基づき施用して下さい。
土質や土壌のpHにより施用量は異なりますが、100kg~160kgでの施用が一般的です。
カキ殻肥料研究データ
カキ殻の成分について
化学分析例
牡蠣の殻づくりが微量要素の宝庫である海水中で行われるため、ホウ素、亜鉛、銅、モリブデンなど微量要素が石灰岩より著しく多く含まれます。
根張りの向上について
トマトでの根箱試験
ネギでの根張り試験
水稲での圃場試験
カキ殻のみで水稲栽培
温州ミカンの植木鉢試験(資料より一部抜粋)
温州ミカンで試験すると、カキ殻の施用により樹体、根ともに発達が良かった。
他の石灰資材と比較すると、カキ殻が大であった(データー未記載)。これは、カキ殻に含まれるほう素(B)の影響によったものである。
土壌微生物の増殖について
カキ殻の多孔質について
カキ殻は活性炭のような多孔質構造になっており、ここに微生物が住み着いて増加すると考えられています。
(図:元京都大学 鎮西先生撮影の電子顕微鏡写真)
総細菌数の継時変化(単位:cells/g):カキ殻の施肥と無施肥で比較
試験土壌
① 肥沃度の低い土壌(立命館大学のセイタカアワダチソウが生えている土:セイタカアワダチソウは肥沃度の低い土壌を好んで生育するとされている)
試験土壌
② 水田土壌(滋賀県草津市内の水田の土)
微生物量はカキ殻200kg区>カキ殻60kg区>無施肥区の順で多くなったことから、カキ殻は土壌微生物を増加させると考えられる。
出展:実験報告書 牡蠣殻資材による土壌微生物増殖効果の検証(一般社団法人 SOFIX農業推進機構 2021年3月)